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【NBM 特別講座 モノづくり塾】「椀を仕立てる-受け継がれる日本の文化」~漆器の産地越前 椀を見立てる旅~

【NBM 特別講座 モノづくり塾】はNBM本科を受講いただいた方に向けて、さらに日本のモノづくりを深く知って頂けるよう、モノづくりの現場を訪ね、実際にモノづくりを体感し、様々な角度から学んでいく講座です。

今回のテーマ「椀を仕立てる-受け継がれる日本の文化」は、オリジナルの漆椀(飯椀・汁椀)を作成すべく、漆と木とデザインの基礎講座と南木曽への産地訪問を経て、いよいよ最終目的地 漆器の産地“越前”の地へ向かいました。

自分で描いた平面のデザインが立体の“かたち”として目の前に現れるのでしょうか!

【1日目】 1月21日 (土)

●JR鯖江に集合

参加者の皆さんは、わが子を迎えに来たかのような表情。
南木曽で別れた子どもたち=“お椀”はどのように成長したのでしょうか。

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まずは、越前の木地づくりを見学します。

●木地挽師 安宅健一氏の工房見学

昭和40年に職人として独立され、平成9年には『福井県伝統的工芸優秀継承者』として表彰された木地挽師 安宅健一さん。

現在では越前漆器の産地でも丸物木地師は4、5名の方しか残っていらっしゃらないそうです。安宅さんもお一人で工房を守っていらっしゃいます。
ろくろが回るカチカチっというリズミカルな音が響く工房へ。
足でろくろの早さや回転の方向を操ります
ろくろの前に座って手の届く範囲には効率のよい配置で道具が並んでいます。
道具へのこだわりも当然。木地を仕上げていく時のカンナはお手製です。
箇所ごとに刃を変え、こまめに刃を研ぎながらの作業です。

たとえば蓋物。椀に沈む蓋の位置を揃えるため、蓋の内側外側。椀の内側外側同じものをつくらねばなりません。
また特に薄引きはお得意。仕上がりは向こうが透けて見え、さわるとポワン、ポワンとはずみます。
細部にわたって神経を研ぎ澄ませた作業に参加者一同、唸ります。

そんなこだわりを随所に見せる安宅さん。それでも・・・
「わたしは下手なんです。一人前ということはないんです。」
職人の心意気を感じます!

●そば処 一福

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こちらの自慢は「塩だし」で食べるお蕎麦。
能登をはじめ、いくつかの海塩をブレンドした琥珀色のだしは、飽きのこない味。

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夏の大根は辛くて食べられないそうで

冬のこの時期だけ楽しめる“大根の甘み”と“ピリリとした辛み”が絶妙です。

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店内には、ご主人ご自慢の古越前や一枚テーブルが並んでいます。

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●土直漆器

続いてはメインイベント!土直漆器さんへわが子との対面です。
土直漆器代表取締役の土田直さんは昭和37年に独立。総勢10名の皆さんで美しく堅牢な漆器を作られています。

玄人同士の会話・・・

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土直漆器さんが手掛けた超一級の技の数々を拝見!

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漆のつみき

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それでは作業場を見学です。
皆さんのナゼ、ドウシテ?の質問に拍車がかかります!

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「とのこ」
漆・とのこの配分のバランスで強度がことなります。当然、値段にも関わります。

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「布着せ」
ただ漆を塗るということでも何度も塗り重ね手間がかかりますが
それ以上に、布着せは強度を増すため麻布を張ったところと木地の境目を目立たなくするためやすりなどで削ったりと大変根気と時間がかかる作業です。

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デザインするときに悩んだ数々の色の漆液。

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もくもくと作業される職人さんに、いつもはおしゃべりの皆さまも圧倒。

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漆が乾くのに重要なのは湿度。
この中に椀をセット。回転し、乾かします。

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お箸も一本一本、何度も塗っては乾かして漆を重ねます。

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大胆かつ慎重な技を見守ります。

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さて、皆さん。ついにオリジナル椀と対面です!
9月からはじまったこの企画もついにファイナル。
静かな工房で私たちの歓声が響きます!
(お仕事中の職人さん方申し訳ございませんでした!)

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つくっていみないと分からない、感動!です!

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それでは、最後に底に名を一作ごとに入れます。

「それでは、僕が見本を」と西山先生はサラサラと筆を走らせ・・・

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参加者の皆さんは慣れない筆と緊張からか時間がかかり、力も入ります!

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おもいおもいのサイン。

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●うるしの里会館

鯖江市河和田を中心とする越前漆器。その製造過程や歴史的資料、新しい取り組みについて紹介されています。

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越前漆器の起こりは約1500年前。第26代継体天皇が皇子の頃、壊れた冠の修理を塗師に命じ、漆で修理された冠と黒塗りの椀にいたく感動したことからはじまったと言われています。(写真は、館内で制作された継体天皇の蒔絵)

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漆掻きした木

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見たこともない漆の色に驚き!
伝統的な漆の色もあれば、科学塗料のウレタンを使った代用漆も。

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エレベーターも総漆!
漆の葉の上でくつろぐおしどりの姿の愛らしさと高蒔絵の豪華さで目を惹きつけます。

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作業場では山車が作られています。今年秋にはお目見えするとのこと。

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給食用の漆椀。
壊れても漆を塗り直して、さらに強固なうつわに使い続ける。
このような取り組みは子供たちにモノを大事に扱う心を育ててくれそうですね。

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●土直漆器 土田社長宅にて夕食

土直漆器の職人の皆さんと翌日訪問の久保田酒店の御主人との楽しい食事会のスタートです!
まずは専務の土直直東さんの御挨拶。今回の旅をすべてコーディネートして頂きました!

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新鮮な海の幸と鯖江の郷土料理の数々

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代表的な鯖江のお酒を久保田さんが御紹介

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モノづくりのお話も白熱していますね!

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モノづくりの精神はお子様にも!ウエルカムバッジ!手作りです!

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職人さんに直接自分たちのオリジナル椀の制作秘話を聞きます。
オリジナル椀は一人一人サイズやデザインが異なるため
塗のヘラを一作ごとにつくったそうです。

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はにかみながらもご自分の作品と

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デザインというのはビジュアルだけではなく
使い勝手や作業効率やコスト面を考えてのもの。
つくづく身にしみるお話でした。

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【2日目】 1月22日 (日)

鯖江の空は霧。
こんな日は意外にも、天気が好転するとのこと。
バスを走らせてしばらくすると、快晴に!
この時期こんな陽気はめずらしいとのことです。

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●一乗谷朝倉氏遺跡

途中、一乗谷朝倉氏遺跡に立ち寄りました。
わずかでしたが土塁が残っていました。

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雪も交じる河川を眼下に永平寺に向かいます。

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●永平寺

曹洞宗 大本山 永平寺は、ご本尊を祀る仏殿や、県の文化財にも指定されている山門など「七堂伽藍」と呼ばれる殿堂楼閣などが70余も立ち並んでいます。常に200余名の方が修行されています。

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160畳もある大広間。144名による花鳥彩色画230枚の格天井は圧巻です。

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途中、参拝者の方々の列が・・・
何かと思えば、修行僧の方々が一列になって廊下を渡られています。
ここは修行の場ということを改めて感じさせます。

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御朱印

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●昨日の「うるしの里会館」にて郷土料理を頂きます。

昨日ため息が漏れるような天井蒔絵を見せてくれた和室で頂きました。
写真は土直漆器の力さんの作品。

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器は全て漆椀。

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ここでもお蕎麦!です。

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八重椀!片付けるときは一膳分まとめて収納できるようになっています。

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●めがね会館・めがねミュージアム

明治38年増永五左エ門によって眼鏡枠づくりの産業が鯖江の地でもはじまりました。夜間学校を開設したり、都市から職人を招くなど情熱を注ぎつつけた五左エ門さん。それから100年余、福井県は国産生産フレームの9割以上をしめる「めがねの聖地」として優れたモノづくりの技術は引き継がれています。

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エントランスはめがねのオブジェ

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まずはめがねを見学。
普段目にする眼鏡と違い、さまざまな素材やデザインで楽しませてくれます。

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めがねストラップを作製中。
使用する素材の色やデザインを選びます。

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やすりや研磨機で整えます。

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磨くたびに段々と艶がでてくるようになると嬉しさ倍増!です。

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完成!

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●久保田酒店

JR鯖江前の久保田酒店さん。

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1913年創業で店内には酒蔵から直送の日本酒をはじめ、歴史を感じさせる看板や焼き物の酒瓶などが並んでいます。

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また昨日土直社長宅でのお酒が美味しかったようでお買い上げです。

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●最後に

今回の旅で出会った職人さん全てにあてはまるのは
手を抜いてもごまかせる技がある。それでも手を抜かないのは
自分の心はごまかせないという信念と職人の誇りに満ちた方々ばかり。
職人たちの自分で自分を律する心があればこそ伝統産業は続いていると感じました。

わたしたち消費者はいかがでしょう。
彼らのその真剣なまなざしを時には感じ、時には気付かないふりをします。
職人にだけにその負担を負わせてもよいのでしょうか。
昔は手の届くところにあった“本物”は今では自ら探したり、
求めに行ったりしなければ出あうことが難しくなっています。

今回NBM特別講座を通して日本の“本物”に会いに行くこと、使ってみること、手にとって“本物”を感じることのすばらしさは時代を超えて感動を届けてくれるものと確信しました。この先制作したお椀がどのように育っていくのか楽しみでなりません。壊れても漆を塗って強固に修繕する。それさえも楽しみです。

最後になりましたが、ご参加いただいた皆様、私たちの訪問を快く受け入れてくださった地元企業・職人の皆様、各方面でご尽力いただいた皆様に、心から御礼申し上げます。 

誠にありがとうございました。

●後日・・・

お椀がついに完成。到着しました!
このあとこれらのお椀がどう使われ、どのように成長していくのか。
楽しみですね。

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【NBM 特別講座 モノづくり塾】「椀を仕立てる-受け継がれる日本の文化」~木地師の産地 南木曽を訪ねる~

【NBM 特別講座 モノづくり塾】はNBM本科を受講いただいた方に向けて、さらに日本のモノづくりを深く知って頂けるよう、モノづくりの現場を訪ね、実際にモノづくりを体感し、様々な角度から学んでいく講座です。

今回の「椀を仕立てる-受け継がれる日本の文化」の最終目的は、オリジナルの漆椀(飯椀・汁椀)を製作することです。旅の前には、2度の座学を通して、漆と木についての基礎知識を学び、オリジナル椀のデザイン画を制作しました。

南木曽の旅では、木地の部分を。そして、次回1月の旅では漆を塗るという、モノづくり体験のスペシャルな旅です。

今回、平成23年11月26日(土)27(日)の2日間 木地師の産地 南木曽の訪問致しました。さて、どんな旅になるのでしょうか。

 

【1 日目】11月26日 (土)

11:00 JR中津川駅に集合し、めざすは目的地 木地師の里 南木曽に向かいます。

運転手さんがこちらの方が近道です。と曲がりくねった山道を走ることに。道中、馬込宿を通り、大妻籠を通り、中山道を抜けました。昔の人々が行き来した中山道に皆さんそれぞれ思いを馳せます。

 

●伝統的工芸品“南木曽ろくろ細工” 「木地師の里 ヤマイチ」

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RIMG0296.jpg「木地師の里 ヤマイチ」さんへ到着。

こちらでは、南木曽ろくろ細工と呼ばれる伝統的工芸品を製作・販売していらっしゃいます。伝統工芸師の小椋一男社長を筆頭に8人の職人さんが、日々、木に向かい合っていらっしゃいます。

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ヤマイチさんでは、観光客の方々を招き入れ、小椋さん直々に木地についてお話を受けることが出来ます。訪問した当日もたくさんの方々がお見えになり熱心に説明を聞いていらっしゃいました。

しかしNBM特別講座はそんな観光客の方々に無いものがあります。

ジャン!今回の講師 西山英煕先生の登場です。

先生は、前日より工房に入り、今か今かと受講者の皆さんをお待ちでした。

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到着して、すぐに西山先生による講義がはじまりました。

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木の種類・特徴について

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木目について

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横目と縦目のお話

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木は切りだされてからも生きているので、時間が経つに従い縮まったりして木目の間隔が変化します。円形だったものが、徐々に楕円形になることもあります。今回の木は切りだしてから約三年くらい経過しています。

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徐々に皆さん、木への愛情が増してきたようです。木にかける言葉が“素直な木”“かわいい木目”子どもにかけるような眼差しで様々な木と触れ合います。「惚れ込んでしまうとあちこちの木材所で買ってしまう。」西山先生の言葉にもうなずけます。木との出会いも人の出会いも同じ、一期一会の出会いなんですね。

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何気なく置いてある木にも興味深々。“木”談義に華が咲き、前に進むのが困難です。

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後継者の問題にも。最近ではいろいろな木地師の産地にも全国各地から木地師の仕事を学びに若者が集まるようですが、その土地には残らず各自地元に帰って工房をひらくということが多いようです。

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小椋さんのご先祖は、第55代文徳天皇(西暦827~858)の第1 皇子惟喬親王(844~897)の従者、小椋大臣実秀と大蔵大臣惟仲の末裔とされ、近江の国蛭谷が発祥の地と文献などに記されている由緒正しいお家だそうで、貴重な資料も見せていただきました。皆さん、古文書を解読中です。

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そろそろお腹もすいてきたところです。

さて、お昼はどこでいただくかと言えば、なんと、小椋さん自ら蕎麦を打ってくださるということに。西山先生曰く、ここ辺りのどこの蕎麦屋さんより、小椋さんの蕎麦がおいしいとのこと。当然、こね鉢は小椋さんがお作りになった一級のこね鉢を使っていらしゃるのですが、お味は・・・。

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おいしい!

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南木曽からすぐの飯田が産地の新蕎麦で、少し緑がかったものを使用されていて、香りが高く素材にもこだわりがみえます。

蕎麦を盛ったお皿もヤマイチさんで製作されています。

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こんにゃく・いもの煮物・お漬物も手作り。

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さて、お腹も満たされ、午後は製作を見学です。

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旅のみの参加だったお二方。最初は「見るだけで、かまいません。」ということでしたが、周りの方々の楽しそうな様子を見て、急きょお椀を作成することに。

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職人さんが製作する横で、デザイン講座がはじまりました。

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細部にまでこだわります。細かい指示にも、職人さんはすべて答えてくれます。

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体全体を使って、作業されていますね。

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こちらの大ぶりのこね鉢は「木があばれなくなるまで、干して削って、製作開始から5年経過しています。(小椋氏談)」モノづくりは簡単にできるものではないんですね。

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そして、完成。

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南木曽の夜は、一段と早く、寒く感じます。

 

お宿へ。

宿泊は大妻籠に創業して三百年の旅館、 波奈屋さん。

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近くには男滝・女滝からの清流が流れています。

ようやく紅葉もはじまったようですね。

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●お食事は本格的な“木曽の味”を堪能

夕食は妻籠にある「音吉」さんです。

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様々なきのこ料理を出していただきました。

“いくち”や“さくらしめじ”など中々珍しい種類のきのこがふんだんに使われています。

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どぶろく

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お酒がすすむに従って、職人魂とデザイナー魂の貴重なモノづくり談義は続きます。

南木曽の夜空は満天の星空。

冬になって、さらに空気が澄んでいるんですね。それでは、おやすみなさい。

【2日目】11月27日 (日)

 

●歴史ある面影を残す宿場町「妻籠宿」を散策

江戸と京都を結ぶ中山道。

中山道、六十九次のうち江戸から数えて四十二番目に妻籠宿はあります。

中山道と伊那道が交差する交通の要衝として古くからにぎわいのあった場所です。

どこを見ても絵になる街並みは、先祖代々住み慣れた人たちにとっても、すべての日本人にとっても宝です。

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妻籠では、家や土地を「売らない・貸さない・壊さない」という三原則があり、ここで息づく人も街並みも、何気なく時は過ぎているように見えますが、

この景色を守るために、きっと大変な努力をされているのでしょうね。

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この時間、この季節でしか見られない光線。

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おみやげではもったいないような、立派な品々がそろっています。

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●300年余の歴史を持つ日用品“蘭桧笠”「ひのき笠の家」

長野県伝統工芸品に指定されている蘭桧傘は1662年に飛騨の落辺から技法が伝えられたもので、現在も伝統の技からつくられる通風性・防水性に優れた実用笠や美しい網目の飾り笠が人気ということです。

ご紹介してくださったのは、小高勇さんです。

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木の桂剥き

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薄く剥かれた木を細く切りそろえ、編み込んでいく「ひで」が完成。

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「ひで」の幅によって、傘の形を変えることが出来る。

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ここで息づく人たちによって歴史は作り上げられていくんですね。

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●藤原氏の手づくり桶の工房

次に訪れたのは、桶職人の藤原直喜さんの工房です。

手づくりの木工製品、一つ一つに職人の息吹を吹き込みます。

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「職人の勘」をひとり工房で守っていらっしゃいます。

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道具も手づくり。

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使い込まれ、丁寧に手入れされている道具。

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だいたいの発注から、使い勝手のいい立派な木工製品ができあがります。

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休憩時には、こんな山々を眺めていらっしゃるのでしょうか。

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●木の持つ温かみを多くの人に伝えたい「志水木材」

創業60余年の志水木材は、機械を導入し、木風呂をはじめ木工製品を製材から加工までおこなっている会社です。ご案内して下さるのは、代表取締役の志水弘樹さん。

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設立当時水車を利用してノコギリを回し製材。蜂蜜採取用の木箱と巣枠の製造からはじめられました。今でもほとんどそのつくりは変わらず、製品をつくられています。

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そして、一番の人気商品が木の風呂です。昭和30年頃は「しみずの木風呂」で、生産量日本一になり、今もその技術は継承されています。

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震災後、節電のためおひつが注目されました。初めて、おひつを使ったという人からは、食べたらおいしくて、もっと早くに知っておきたかったという声が多く聞かれたそうです。

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乾燥。乾きすぎるのも駄目ということで、だいたい15%まで乾燥させ、製作するときには、12%くらいで削り出すのがベストなんだそう。

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手づくりの工房と機械を導入した工場。それぞれに良さがあり、どちらも日本のモノづくりの魂を感じることが出来ました。

●富貴の森

先生の総括を聞きながら、木曽の味覚を頂きます。

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●最後に・・・

一からデザインをおこし、産地を訪ねモノづくりをする。職人さんとモノを作るという経験は座学だけでは、感じえないものがたくさんありました。まず、モノづくりに携わる方々への尊敬の念が、強くなりました。どれだけ大変な工程を経てここまでになり、消費者に届けられているか。

また、商品を見る目も変わったような気がします。今までより更に細部まで気になる自分がいます。

一つの商品・作品の後ろにはたくさんの人がいるんですよね。わかっているようで実際には理解できていなかったような気がします。しかし、今回の旅で事実それを感じ、人に触れ、素材に触れ、商品に触れ、日本のモノづくりを知るうえで得難い経験をすることができました。

南木曽の豊かな自然に育まれたモノづくりは、この場所だったからこそ完成し、今に続き、これからも継承されていくことでしょう。次回は、越前へ向かいます。次はどんな出会いが待っているでしょう。お椀もついに完成です。

最後になりましたが、ご参加いただいた皆様、私たちの訪問を快く受け入れてくださった地元企業・職人の皆様、各方面でご尽力いただいた皆様に、心から御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

産業観光型NBM講座 晴れの國 岡山・備前焼をめぐる旅のレポート

日程 2011年11月19日(土)~20日(日) 場 所 岡山県備前地域

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【NBM 特別講座 モノづくり塾】「椀を仕立てる-受け継がれる日本の文化」~漆器の産地越前 椀を見立てる旅~

【NBM 特別講座 モノづくり塾】はNBM本科を受講いただいた方に向けて、さらに日本のモノづくりを深く知って頂けるよう、モノづくりの現場を訪ね、実際にモノづくりを体感し、様々な角度から学んでいく講座です。

今回のテーマ「椀を仕立てる-受け継がれる日本の文化」は、オリジナルの漆椀(飯椀・汁椀)を作成すべく、漆と木とデザインの基礎講座と南木曽への産地訪問を経て、いよいよ最終目的地 漆器の産地“越前”の地へ向かいました。

自分で描いた平面のデザインが立体の“かたち”として目の前に現れるのでしょうか!

【1日目】 1月21日 (土)

●JR鯖江に集合

参加者の皆さんは、わが子を迎えに来たかのような表情。
南木曽で別れた子どもたち=“お椀”はどのように成長したのでしょうか。

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まずは、越前の木地づくりを見学します。

●木地挽師 安宅健一氏の工房見学

昭和40年に職人として独立され、平成9年には『福井県伝統的工芸優秀継承者』として表彰された木地挽師 安宅健一さん。

現在では越前漆器の産地でも丸物木地師は4、5名の方しか残っていらっしゃらないそうです。安宅さんもお一人で工房を守っていらっしゃいます。
ろくろが回るカチカチっというリズミカルな音が響く工房へ。
足でろくろの早さや回転の方向を操ります
ろくろの前に座って手の届く範囲には効率のよい配置で道具が並んでいます。
道具へのこだわりも当然。木地を仕上げていく時のカンナはお手製です。
箇所ごとに刃を変え、こまめに刃を研ぎながらの作業です。

たとえば蓋物。椀に沈む蓋の位置を揃えるため、蓋の内側外側。椀の内側外側同じものをつくらねばなりません。
また特に薄引きはお得意。仕上がりは向こうが透けて見え、さわるとポワン、ポワンとはずみます。
細部にわたって神経を研ぎ澄ませた作業に参加者一同、唸ります。

そんなこだわりを随所に見せる安宅さん。それでも・・・
「わたしは下手なんです。一人前ということはないんです。」
職人の心意気を感じます!

●そば処 一福

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こちらの自慢は「塩だし」で食べるお蕎麦。
能登をはじめ、いくつかの海塩をブレンドした琥珀色のだしは、飽きのこない味。

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夏の大根は辛くて食べられないそうで

冬のこの時期だけ楽しめる“大根の甘み”と“ピリリとした辛み”が絶妙です。

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店内には、ご主人ご自慢の古越前や一枚テーブルが並んでいます。

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●土直漆器

続いてはメインイベント!土直漆器さんへわが子との対面です。
土直漆器代表取締役の土田直さんは昭和37年に独立。総勢10名の皆さんで美しく堅牢な漆器を作られています。

玄人同士の会話・・・

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土直漆器さんが手掛けた超一級の技の数々を拝見!

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漆のつみき

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それでは作業場を見学です。
皆さんのナゼ、ドウシテ?の質問に拍車がかかります!

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「とのこ」
漆・とのこの配分のバランスで強度がことなります。当然、値段にも関わります。

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「布着せ」
ただ漆を塗るということでも何度も塗り重ね手間がかかりますが
それ以上に、布着せは強度を増すため麻布を張ったところと木地の境目を目立たなくするためやすりなどで削ったりと大変根気と時間がかかる作業です。

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デザインするときに悩んだ数々の色の漆液。

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もくもくと作業される職人さんに、いつもはおしゃべりの皆さまも圧倒。

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漆が乾くのに重要なのは湿度。
この中に椀をセット。回転し、乾かします。

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お箸も一本一本、何度も塗っては乾かして漆を重ねます。

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大胆かつ慎重な技を見守ります。

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さて、皆さん。ついにオリジナル椀と対面です!
9月からはじまったこの企画もついにファイナル。
静かな工房で私たちの歓声が響きます!
(お仕事中の職人さん方申し訳ございませんでした!)

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つくっていみないと分からない、感動!です!

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それでは、最後に底に名を一作ごとに入れます。

「それでは、僕が見本を」と西山先生はサラサラと筆を走らせ・・・

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参加者の皆さんは慣れない筆と緊張からか時間がかかり、力も入ります!

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おもいおもいのサイン。

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●うるしの里会館

鯖江市河和田を中心とする越前漆器。その製造過程や歴史的資料、新しい取り組みについて紹介されています。

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越前漆器の起こりは約1500年前。第26代継体天皇が皇子の頃、壊れた冠の修理を塗師に命じ、漆で修理された冠と黒塗りの椀にいたく感動したことからはじまったと言われています。(写真は、館内で制作された継体天皇の蒔絵)

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漆掻きした木

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見たこともない漆の色に驚き!
伝統的な漆の色もあれば、科学塗料のウレタンを使った代用漆も。

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エレベーターも総漆!
漆の葉の上でくつろぐおしどりの姿の愛らしさと高蒔絵の豪華さで目を惹きつけます。

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作業場では山車が作られています。今年秋にはお目見えするとのこと。

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給食用の漆椀。
壊れても漆を塗り直して、さらに強固なうつわに使い続ける。
このような取り組みは子供たちにモノを大事に扱う心を育ててくれそうですね。

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●土直漆器 土田社長宅にて夕食

土直漆器の職人の皆さんと翌日訪問の久保田酒店の御主人との楽しい食事会のスタートです!
まずは専務の土直直東さんの御挨拶。今回の旅をすべてコーディネートして頂きました!

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新鮮な海の幸と鯖江の郷土料理の数々

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代表的な鯖江のお酒を久保田さんが御紹介

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モノづくりのお話も白熱していますね!

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モノづくりの精神はお子様にも!ウエルカムバッジ!手作りです!

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職人さんに直接自分たちのオリジナル椀の制作秘話を聞きます。
オリジナル椀は一人一人サイズやデザインが異なるため
塗のヘラを一作ごとにつくったそうです。

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はにかみながらもご自分の作品と

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デザインというのはビジュアルだけではなく
使い勝手や作業効率やコスト面を考えてのもの。
つくづく身にしみるお話でした。

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【2日目】 1月22日 (日)

鯖江の空は霧。
こんな日は意外にも、天気が好転するとのこと。
バスを走らせてしばらくすると、快晴に!
この時期こんな陽気はめずらしいとのことです。

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●一乗谷朝倉氏遺跡

途中、一乗谷朝倉氏遺跡に立ち寄りました。
わずかでしたが土塁が残っていました。

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雪も交じる河川を眼下に永平寺に向かいます。

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●永平寺

曹洞宗 大本山 永平寺は、ご本尊を祀る仏殿や、県の文化財にも指定されている山門など「七堂伽藍」と呼ばれる殿堂楼閣などが70余も立ち並んでいます。常に200余名の方が修行されています。

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160畳もある大広間。144名による花鳥彩色画230枚の格天井は圧巻です。

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途中、参拝者の方々の列が・・・
何かと思えば、修行僧の方々が一列になって廊下を渡られています。
ここは修行の場ということを改めて感じさせます。

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御朱印

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●昨日の「うるしの里会館」にて郷土料理を頂きます。

昨日ため息が漏れるような天井蒔絵を見せてくれた和室で頂きました。
写真は土直漆器の力さんの作品。

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器は全て漆椀。

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ここでもお蕎麦!です。

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八重椀!片付けるときは一膳分まとめて収納できるようになっています。

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●めがね会館・めがねミュージアム

明治38年増永五左エ門によって眼鏡枠づくりの産業が鯖江の地でもはじまりました。夜間学校を開設したり、都市から職人を招くなど情熱を注ぎつつけた五左エ門さん。それから100年余、福井県は国産生産フレームの9割以上をしめる「めがねの聖地」として優れたモノづくりの技術は引き継がれています。

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エントランスはめがねのオブジェ

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まずはめがねを見学。
普段目にする眼鏡と違い、さまざまな素材やデザインで楽しませてくれます。

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めがねストラップを作製中。
使用する素材の色やデザインを選びます。

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やすりや研磨機で整えます。

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磨くたびに段々と艶がでてくるようになると嬉しさ倍増!です。

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完成!

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●久保田酒店

JR鯖江前の久保田酒店さん。

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1913年創業で店内には酒蔵から直送の日本酒をはじめ、歴史を感じさせる看板や焼き物の酒瓶などが並んでいます。

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また昨日土直社長宅でのお酒が美味しかったようでお買い上げです。

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●最後に

今回の旅で出会った職人さん全てにあてはまるのは
手を抜いてもごまかせる技がある。それでも手を抜かないのは
自分の心はごまかせないという信念と職人の誇りに満ちた方々ばかり。
職人たちの自分で自分を律する心があればこそ伝統産業は続いていると感じました。

わたしたち消費者はいかがでしょう。
彼らのその真剣なまなざしを時には感じ、時には気付かないふりをします。
職人にだけにその負担を負わせてもよいのでしょうか。
昔は手の届くところにあった“本物”は今では自ら探したり、
求めに行ったりしなければ出あうことが難しくなっています。

今回NBM特別講座を通して日本の“本物”に会いに行くこと、使ってみること、手にとって“本物”を感じることのすばらしさは時代を超えて感動を届けてくれるものと確信しました。この先制作したお椀がどのように育っていくのか楽しみでなりません。壊れても漆を塗って強固に修繕する。それさえも楽しみです。

最後になりましたが、ご参加いただいた皆様、私たちの訪問を快く受け入れてくださった地元企業・職人の皆様、各方面でご尽力いただいた皆様に、心から御礼申し上げます。 

誠にありがとうございました。

●後日・・・

お椀がついに完成。到着しました!
このあとこれらのお椀がどう使われ、どのように成長していくのか。
楽しみですね。

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【NBM 特別講座 モノづくり塾】「椀を仕立てる-受け継がれる日本の文化」~木地師の産地 南木曽を訪ねる~

【NBM 特別講座 モノづくり塾】はNBM本科を受講いただいた方に向けて、さらに日本のモノづくりを深く知って頂けるよう、モノづくりの現場を訪ね、実際にモノづくりを体感し、様々な角度から学んでいく講座です。

今回の「椀を仕立てる-受け継がれる日本の文化」の最終目的は、オリジナルの漆椀(飯椀・汁椀)を製作することです。旅の前には、2度の座学を通して、漆と木についての基礎知識を学び、オリジナル椀のデザイン画を制作しました。

南木曽の旅では、木地の部分を。そして、次回1月の旅では漆を塗るという、モノづくり体験のスペシャルな旅です。

今回、平成23年11月26日(土)27(日)の2日間 木地師の産地 南木曽の訪問致しました。さて、どんな旅になるのでしょうか。

 

【1 日目】11月26日 (土)

11:00 JR中津川駅に集合し、めざすは目的地 木地師の里 南木曽に向かいます。

運転手さんがこちらの方が近道です。と曲がりくねった山道を走ることに。道中、馬込宿を通り、大妻籠を通り、中山道を抜けました。昔の人々が行き来した中山道に皆さんそれぞれ思いを馳せます。

 

●伝統的工芸品“南木曽ろくろ細工” 「木地師の里 ヤマイチ」

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RIMG0296.jpg「木地師の里 ヤマイチ」さんへ到着。

こちらでは、南木曽ろくろ細工と呼ばれる伝統的工芸品を製作・販売していらっしゃいます。伝統工芸師の小椋一男社長を筆頭に8人の職人さんが、日々、木に向かい合っていらっしゃいます。

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ヤマイチさんでは、観光客の方々を招き入れ、小椋さん直々に木地についてお話を受けることが出来ます。訪問した当日もたくさんの方々がお見えになり熱心に説明を聞いていらっしゃいました。

しかしNBM特別講座はそんな観光客の方々に無いものがあります。

ジャン!今回の講師 西山英煕先生の登場です。

先生は、前日より工房に入り、今か今かと受講者の皆さんをお待ちでした。

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到着して、すぐに西山先生による講義がはじまりました。

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木の種類・特徴について

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木目について

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横目と縦目のお話

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木は切りだされてからも生きているので、時間が経つに従い縮まったりして木目の間隔が変化します。円形だったものが、徐々に楕円形になることもあります。今回の木は切りだしてから約三年くらい経過しています。

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徐々に皆さん、木への愛情が増してきたようです。木にかける言葉が“素直な木”“かわいい木目”子どもにかけるような眼差しで様々な木と触れ合います。「惚れ込んでしまうとあちこちの木材所で買ってしまう。」西山先生の言葉にもうなずけます。木との出会いも人の出会いも同じ、一期一会の出会いなんですね。

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何気なく置いてある木にも興味深々。“木”談義に華が咲き、前に進むのが困難です。

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後継者の問題にも。最近ではいろいろな木地師の産地にも全国各地から木地師の仕事を学びに若者が集まるようですが、その土地には残らず各自地元に帰って工房をひらくということが多いようです。

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小椋さんのご先祖は、第55代文徳天皇(西暦827~858)の第1 皇子惟喬親王(844~897)の従者、小椋大臣実秀と大蔵大臣惟仲の末裔とされ、近江の国蛭谷が発祥の地と文献などに記されている由緒正しいお家だそうで、貴重な資料も見せていただきました。皆さん、古文書を解読中です。

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そろそろお腹もすいてきたところです。

さて、お昼はどこでいただくかと言えば、なんと、小椋さん自ら蕎麦を打ってくださるということに。西山先生曰く、ここ辺りのどこの蕎麦屋さんより、小椋さんの蕎麦がおいしいとのこと。当然、こね鉢は小椋さんがお作りになった一級のこね鉢を使っていらしゃるのですが、お味は・・・。

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おいしい!

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南木曽からすぐの飯田が産地の新蕎麦で、少し緑がかったものを使用されていて、香りが高く素材にもこだわりがみえます。

蕎麦を盛ったお皿もヤマイチさんで製作されています。

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こんにゃく・いもの煮物・お漬物も手作り。

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さて、お腹も満たされ、午後は製作を見学です。

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旅のみの参加だったお二方。最初は「見るだけで、かまいません。」ということでしたが、周りの方々の楽しそうな様子を見て、急きょお椀を作成することに。

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職人さんが製作する横で、デザイン講座がはじまりました。

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細部にまでこだわります。細かい指示にも、職人さんはすべて答えてくれます。

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体全体を使って、作業されていますね。

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こちらの大ぶりのこね鉢は「木があばれなくなるまで、干して削って、製作開始から5年経過しています。(小椋氏談)」モノづくりは簡単にできるものではないんですね。

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そして、完成。

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南木曽の夜は、一段と早く、寒く感じます。

 

お宿へ。

宿泊は大妻籠に創業して三百年の旅館、 波奈屋さん。

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近くには男滝・女滝からの清流が流れています。

ようやく紅葉もはじまったようですね。

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●お食事は本格的な“木曽の味”を堪能

夕食は妻籠にある「音吉」さんです。

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様々なきのこ料理を出していただきました。

“いくち”や“さくらしめじ”など中々珍しい種類のきのこがふんだんに使われています。

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どぶろく

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お酒がすすむに従って、職人魂とデザイナー魂の貴重なモノづくり談義は続きます。

南木曽の夜空は満天の星空。

冬になって、さらに空気が澄んでいるんですね。それでは、おやすみなさい。

【2日目】11月27日 (日)

 

●歴史ある面影を残す宿場町「妻籠宿」を散策

江戸と京都を結ぶ中山道。

中山道、六十九次のうち江戸から数えて四十二番目に妻籠宿はあります。

中山道と伊那道が交差する交通の要衝として古くからにぎわいのあった場所です。

どこを見ても絵になる街並みは、先祖代々住み慣れた人たちにとっても、すべての日本人にとっても宝です。

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妻籠では、家や土地を「売らない・貸さない・壊さない」という三原則があり、ここで息づく人も街並みも、何気なく時は過ぎているように見えますが、

この景色を守るために、きっと大変な努力をされているのでしょうね。

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この時間、この季節でしか見られない光線。

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おみやげではもったいないような、立派な品々がそろっています。

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●300年余の歴史を持つ日用品“蘭桧笠”「ひのき笠の家」

長野県伝統工芸品に指定されている蘭桧傘は1662年に飛騨の落辺から技法が伝えられたもので、現在も伝統の技からつくられる通風性・防水性に優れた実用笠や美しい網目の飾り笠が人気ということです。

ご紹介してくださったのは、小高勇さんです。

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木の桂剥き

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薄く剥かれた木を細く切りそろえ、編み込んでいく「ひで」が完成。

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「ひで」の幅によって、傘の形を変えることが出来る。

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ここで息づく人たちによって歴史は作り上げられていくんですね。

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●藤原氏の手づくり桶の工房

次に訪れたのは、桶職人の藤原直喜さんの工房です。

手づくりの木工製品、一つ一つに職人の息吹を吹き込みます。

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「職人の勘」をひとり工房で守っていらっしゃいます。

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道具も手づくり。

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使い込まれ、丁寧に手入れされている道具。

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だいたいの発注から、使い勝手のいい立派な木工製品ができあがります。

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休憩時には、こんな山々を眺めていらっしゃるのでしょうか。

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●木の持つ温かみを多くの人に伝えたい「志水木材」

創業60余年の志水木材は、機械を導入し、木風呂をはじめ木工製品を製材から加工までおこなっている会社です。ご案内して下さるのは、代表取締役の志水弘樹さん。

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設立当時水車を利用してノコギリを回し製材。蜂蜜採取用の木箱と巣枠の製造からはじめられました。今でもほとんどそのつくりは変わらず、製品をつくられています。

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そして、一番の人気商品が木の風呂です。昭和30年頃は「しみずの木風呂」で、生産量日本一になり、今もその技術は継承されています。

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震災後、節電のためおひつが注目されました。初めて、おひつを使ったという人からは、食べたらおいしくて、もっと早くに知っておきたかったという声が多く聞かれたそうです。

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乾燥。乾きすぎるのも駄目ということで、だいたい15%まで乾燥させ、製作するときには、12%くらいで削り出すのがベストなんだそう。

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手づくりの工房と機械を導入した工場。それぞれに良さがあり、どちらも日本のモノづくりの魂を感じることが出来ました。

●富貴の森

先生の総括を聞きながら、木曽の味覚を頂きます。

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●最後に・・・

一からデザインをおこし、産地を訪ねモノづくりをする。職人さんとモノを作るという経験は座学だけでは、感じえないものがたくさんありました。まず、モノづくりに携わる方々への尊敬の念が、強くなりました。どれだけ大変な工程を経てここまでになり、消費者に届けられているか。

また、商品を見る目も変わったような気がします。今までより更に細部まで気になる自分がいます。

一つの商品・作品の後ろにはたくさんの人がいるんですよね。わかっているようで実際には理解できていなかったような気がします。しかし、今回の旅で事実それを感じ、人に触れ、素材に触れ、商品に触れ、日本のモノづくりを知るうえで得難い経験をすることができました。

南木曽の豊かな自然に育まれたモノづくりは、この場所だったからこそ完成し、今に続き、これからも継承されていくことでしょう。次回は、越前へ向かいます。次はどんな出会いが待っているでしょう。お椀もついに完成です。

最後になりましたが、ご参加いただいた皆様、私たちの訪問を快く受け入れてくださった地元企業・職人の皆様、各方面でご尽力いただいた皆様に、心から御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

産業観光型NBM講座 晴れの國 岡山・備前焼をめぐる旅のレポート

日程 2011年11月19日(土)~20日(日) 場 所 岡山県備前地域

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