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第4回 「長良川の清流が育んだ食文化と伝統工芸を訪ねて」 (本講座は終了しています)

開催日程 2011年3月12日(土)・13日(日)
訪問地 岐阜県郡上市、関市
集合場所 JR岐阜駅周辺(詳細はお申込み後にご連絡します)
定員 20名
参加費用 29,000円(税込)
※内訳:宿泊/1日目昼食・夕食、2日目朝食/現地集合貸切バス、長良川鉄道運賃
     (現地集合場所までの交通費は各自ご負担ください。)
申込み締切り 2月28日(月) ※定員に達しない場合は追加募集を行います。
お申込み方法 先着順に承ります。
お申込みフォームの受講申込み欄の「産業観光型NBM講座<<第4回 郡上・関刃物>>」にチェックをしてください。
お申込みを確認次第、お支払い方法をご連絡します。(一括銀行振り込み)
スケジュール/予定 参加人数、受け入れ先の都合により、スケジュールが変更になる場合があります。
3月12日(土)
10:00 ・JR岐阜駅集合
11:30~ ・味噌・醤油 丸昌醸造所 
・昼食(泉屋)
 ~郡上町並を散策しながら~
・郡上本染 渡辺染物店
・肉桂菓子 桜間見屋
18:00~ ・夕食(郷土料理 大八)+メイド・イン郡上プロジェクト交流会
・チェックイン ホテルルートイン関
3月13日(日)
9:00 ・集合(ホテルロビー)
9:30~ ・日本刀 鍛錬(関鍛冶伝承館)
・講義「日本刀と関刃物の歴史」
 ~昼食+自由行動~
・関鍛冶伝承館
・フェザーミュージアム
・刃物会館(買い物+砥ぎ体験)
16:30 JR岐阜駅着
お問合せ メイド・イン・ジャパン・プロジェクト株式会社 NBM事務局:後藤
TEL:03-5413-3243


現在募集中の産業観光型NBM 講座はこちらから

産業観光型NBM講座 ~モノづくりと出会う旅~「長良川の清流が育んだ食文化と伝統工芸を訪ねて

3月12日(土)、13日(日)の2日間、第4回目の開催となります今回の産業観光型NBM講座では、岐阜県の“郡上踊りで有名な里山”郡上市と、“関刃物で有名な刀鍛冶のまち”関市を訪問させていただきました。

【1日目:12日(土)郡上市】

まず初めにご訪問させていただいたのは、“郡上みそ”の製造メーカー、株式会社丸昌醸造場(郡上市白鳥町)。創業は明治43年です。

ご案内してくださいましたのは、5代目にあたる社長の脇本茂樹さんです。

 

丸昌醸造場では、地下のおいしい伏流水と、厳選された素材のみを用いて、地味噌である“郡上みそ”の製造をしています。

味噌の味を決定づける発行過程では最古の道具である木樽を使い、歴史ある長年の経験と伝統を継承しながらも、そこに最新の設備環境も積極的に取り入れ、安心で安全なおいしい味噌づくりをされています。

そして、工場内にはなんとクラシック音楽が流れていました。ゆるやかで美しい音楽が、工場内で働く人々の心を癒し、やさしくおいしい丸昌醸造場の味噌ができるのですね。

続いて向かったのは、郡上八幡。とてもレトロでローカルな電車“長良川鉄道”に揺られ、窓から見えるのどかで美しい風景を楽しみながら向かいました。

無人の小さな駅“大島駅”から出発。

 

木造で風情のある“郡上八幡駅”に到着。

郡上八幡のまちなかにある、歴史を感じるたたずまいのそば処“泉屋”さんにて昼食。

あたたかい“あまごそば”をおいしくいただきました。あまごとは、渓流に生息する魚で、天の魚とも呼ばれています。中でも、郡上あまごは一番美しいとされているそうです。そんな天然の郡上あまごをまるごと一匹。水の町、郡上ならではの贅沢な料理ですね。

次に訪問させていただきましたのは郡上本染(藍染め)の“渡辺染物店”。創業して、なんと430年!江戸時代から続く伝統的な染色技法です。

お話を伺ったのは、14代目の渡辺庄吉さん。岐阜県の重要無形文化財保持者、すなわち人間国宝でいらっしゃいます。

瓶(かめ)につかっている布は、青色ではなく茶色っぽいような色をしています。それが瓶から出されて空気にふれると、一気に鮮やかな青色へと変化します。

こうした作業を何度も繰り返すことで、深みのある美しい藍色に染まっていきます。

 

店内には、早くも5月の子どもの日に向けて、鯉のぼりが泳いでいました。

渡辺染物店では、毎年大寒(1月20日ごろ)の日に郡上八幡の清流、吉田川で“鯉のぼりの寒ざらし”を行っており、子どもたちの健やかな成長を願う行事であると共に、冬の風物詩として知られています。

その後は、しばし歴史ある景観の郡上八幡の城下町を散策。

民家の裏手に流れる“いがわこみち”。鯉や川魚の泳ぐ豊かな用水です。

レトロなたたずまいの郡上八幡旧庁舎記念館。現在は、観光案内所とお土産屋さんになっています。こんなところにも、渡辺染物店の鯉のぼりが!

奥美濃おもだか屋民芸館。奥の土蔵には、昔の生活の中で使われていた、七ツ玉算盤(そろばん)や火鉢、行灯(あんどん)などの民芸品が展示されていました。

やなか水のこみち。長良川と吉田川の自然の玉石が敷き詰められているかわいらしい道です。

写真右のようなレトロな看板も発見しました。

こちらは、「日本名水百選」の第1号に指定された湧水、“宗祇水(そうぎすい)”。

最後にお邪魔させていただいたのは、“桜間見屋(おうまみや)”さん。創業は明治20年。昔ながらの肉桂玉(ニッケダマ)屋さんです。

肉桂(ニッケ)とはクスノキ科の樹木で“ニッキ”のこと。自然界のものであるだけに、その年によって香りや辛味が変わるので、その飴づくりでは職人の舌と勘で素材の分量が調整され、伝統の味が守られています。その製造は全て熟練の職人による手作業。郡上ブランドにも認定されています。

こちらの店の暖簾も渡辺染物店さんで染められたものでした。

それから、お店の入り口の両脇の軒に吊り下げられているのは“南天玉”という商売繁盛の縁起物。実は、郡上は南天の産地だそう。しかし、現在、この南天玉をつくる職人は一人だけしかいないのだとか。

そして夜には、地元のモノづくり企業やデザイナー、農家、行政など、官民が一体となって郡上の活性化にとりくまれている“メイド・イン・郡上・プロジェクト”のみなさんにお集まりいただき、郡上の郷土料理をいただける“大八”さんで、郡上のこと、そして岐阜県のことなど地域の活性化のためにモノづくりにできることを語り合いました。

現在は、高速道路が開通し交通の便もよくなりましたが、それまでは交通の便も悪く、冬は雪も多いため、孤島のようだったという郡上のまち。ご存知のとおり郡上は“郡上おどり”で有名な観光のまちです。ほかに特に目立った産業というものがないまちではありますが、何かを作ろうとしたときに、製造業の方がいて、印刷会社(シルクスクリーン印刷は郡上が発祥だそう)があって、パッケージの会社もあって、デザイナーもいて、というように、郡上の中だけでモノづくりが完結できるような環境があるといいます。これも、この町の中だけで生活していかなくてはいけないという地理的な風土が生みだした環境なのでしょうか。

また、森林と清流という大自然に囲まれた郡上の町は、やはり農業が盛んで、川魚が有名です。しかし、以前は孤立した立地のため、特に冬は食料の確保が困難でした。そのため、独特の食文化があるといいます。

今回来ていただいたメイド・イン・郡上・プロジェクトメンバーの平井さん((株)ひるがのドリーム)の“春まちにんじん”もそうした文化・先人の知恵から生まれた野菜です。春まちにんじんは、普通秋に収穫するものを、雪の中で寝かせて2月ごろに収穫をしています。そうすることで、寒さに耐えるために糖度が増し、甘いにんじんができるそうです。

それから、冬に郡上の一般家庭でよく食べられるという“味噌煮”のお話もありました。味噌煮とは、赤カブや白菜などの漬物を郡上みそで煮込んだもの。家庭によって作り方が少し違うのだそうです。それを特別にお店のおかみさんにつくっていただきました。とてもおいしく、ご飯にすごく合うんです!「郡上の旅館の朝ごはんの新定番は“味噌煮”」という日も近いかもしれません。

その他にも、メイド・イン・郡上・プロジェクトのメンバーの方には建物の話、町の名前の話など、いろいろなお話をしていただき、とても有意義な時間を過ごすことができました。

【2日目:13日(日)関市】

2日目は刃物の産地、関市へ。
関鍛冶伝承館にて、特別に「古式日本刀鍛錬」の工程の一部の実演を見せていただきました。

実演を見せてくださったのは、丹羽兼信さんはじめ、関伝日本刀鍛錬技術保存会刀匠部会の皆様。

飛び散る火花。目の前で繰り広げられた実演は、とても迫力がありました。

脇座に立つ3人の刀工の大鎚と、横座に座る刀匠の小鎚が小気味の良いリズムで打ち繰り返されていきます。

特別に私たちも体験させていただきました。

その後は、伝承館の隣の春日神社にて、引き続き丹羽さんに刀鍛冶についてのレクチャーをしていただきました。春日神社は、正応元年(1228年)に関鍛冶の守護神として、奈良・春日大社より分霊を歓請し、創建したといわれています。

関市の刃物産業の歴史は700有余年にさかのぼる鎌倉時代におよびます。当時は鎌倉を中心とする関東地方、京都を中心とする近畿地方において大きな戦乱が続いていたため、難を逃れて地方へと移り住んだ刀匠たちが、この関の地に良質な焼刃土(焼き入れに欠かせない土)と豊かな水を発見し、定住し始め、刀を打ち始めたのが発端といわれています。

以後、関刀鍛冶が独自の鍛刀法「関伝」などで飛躍的に発展し、戦国時代にその最盛期を迎えました。

しかし、江戸時代に入り世が泰平になるにつれて、刀剣の需要は激減し、刀匠の多くが農業用刃物や家庭用刃物の製造へと転業していきました。そうして、現在の包丁やハサミ、カミソリといった刃物の産地となっていったのです。

関の刀は「折れず曲がらずよく切れる」という特徴があります。この刀造りの信念が現代にも生き続け、他の追随を許さない高品質な製品づくりにつながっています。

その後、“関鍛冶伝承館”館内と、隣接する“フェザーミュージアム”、“刃物会館”をまわりました。今回実演をみせていただいた鍛錬をする刀匠の他にも、刀ができあがるまでには、焼き入れをした刀を本研ぎする研師、持ち手の部分の柄巻師(つかまきし)、刀身を収める鞘をつくる鞘師(さやし)、鞘と柄がぴったりくるために重要な「はばき」をつくる白銀師(しろがねし)がいます。そうした工程を、映像等でわかりやすく学び、理解を深めることができました。
現在の関の刃物の製造も、やはり分業の文化が続いています。

以上、今回の産業観光型NBM講座は、岐阜県の山の緑や清流などの豊かな自然と、その中で育まれてきた食文化や、刃物、染物の伝統工芸を堪能した2日間でした。

最後になりましたが、ご参加いただいた皆様、私たちの訪問を快く受け入れてくださった地元企業、店舗の皆様、各方面でご尽力いただいた岐阜県の職員の皆様に、心から御礼申し上げます。

誠にありがとうございました。