国籍を問わず子供達にNIPPON 発の心意気を伝える
アメリカンスクール・イン・ジャパン
ジャパンセンター ディレクター
高野京子さん 19期
季節の設え
国内外の子供達と
茶道、華道、書道の師範を母に持つ私の幼少時代は着物や和の空間が目の前にあるのが当たり前でその価値観をあまり良く理解していませんでした。
当然の如く10代、20代の頃は西洋文化に憧れグローバル社会への進出を夢見た私は海外に出てみて初めて、ふと世界に大手を振って出て行く為には自分のルーツを知る事、アイデンティティーをしっかり持つことの重要さを認識しました。改めて母が長年教えてきた日本文化と日本人である気品を持つ事の大切さ、そして日本人のもてなしの心や職人気質の素晴らしさを再認識する事になりました。
宝塚歌劇団を卒業し現在の仕事はアメリカンスクール・イン・ジャパンのジャパンセンターのディレクターです。宝塚には103年の歴史があり、清く、正しく、美しく、をモットーに日本の伝統を重んじた日本舞踊からブロードウェイのミュージカルまで数々の作品に関わりました。日本の伝統文化と西洋文化の両方を勉強し、又演じて初めて日本の伝統芸能の奥深さを学びました。
現在はアメリカンスクールで日本在住の国内外の生徒達に日本の文化を伝える仕事に携わっています。生徒達には本物の日本文化の素晴らしさを経験してもらいグローバル社会でその経験を生かしてあらゆる国の文化を受け入れ活躍出来る人に成長してもらいたいと思っております。それを通してより良い次世代を創ると言うミッションを抱えています。
そんな私にとってNBM 講座がある事を知った時、本当に日本の奥深い伝統や誇り高い日本人の巧みな技を学べる素晴らしい機会だと思いすぐに受講する決心をしました。色々な事を知る程に興味がどんどん湧いてきました。
お茶を一杯入れるのにでさえ昔から伝わる色々な技法やこだわりがある事、その中に生活に密着した古人の知恵が隠されている事、器造りにはその土地の文化や歴史が刻み込まれている事、一枚の和紙を作るのにどれだけの手間暇がかかるのかなど、知れば知るほどその一つ一つに意味があり命が吹き込まれている事を学びました。その古人達やそれを受け継いでいる現代の職人さんの熱い思いをどこまで伝承出来るかは我々の手にかかっています。
温故知新という素晴らしい言葉が日本にありますが、それはNBM 講座から学んだ事の一つです。それを生かしこれから益々日本の文化や伝統工芸の伝承活動に力を入れ、明るい将来を担う子供達に国籍を問わずNIPPON 発の心意気を伝えていければと思っています。
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