新着情報 メールマガジン Facebook Twitter

福岡県とのコラボNBM産業観光型講座(本講座は終了しています)

よかもん・よか技・よか伝統

伝統工芸を通じた地域活性化に力を入れている福岡県で、実際に日本のモノづくりに様々な形で携わり、日本のモノづくりと共に歩んでいるメイド・イン・ジャパン・プロジェクトが企画した産業観光を特別講座としてNBM本科生のみなさまにいち早くご案内いたします。

今回、【NBM実践プログラム】福岡のつくり手にあなたの想いを伝えに行こう!では、福岡県にある伝統工芸品の中で国指定されている7品目に様々な形で触れていただき、これまでNBMで学んだ成果と今回の講座を通じて学んだことを、直接つくり手の方々に伝えて頂きたいと思います。
みなさんの貴重なご意見が今後のモノづくり、福岡県の産業活性化に向けた取り組みに反映されます。

博多織の経糸と緯糸のように、つくり手とみなさまで福岡県の伝統工芸を通じた地域活性化の取り組みをつむぎにいきませんか?

【ツアー概要】

ツアー名 おとなの社会科見学 「しっとーと?ふくおか」
実施日 2016年3月12日(土)~13日(日)
定員 30名(先着順に承ります。お申込みに達し次第 締め切りとなりますので、お早目にお申込みください。)
旅行代金 35,000円(税込)
旅行代金に含まれるもの: ツアー内移動費用(博多駅~博多駅までの貸切バス代)/宿泊費用(1名1室利用1泊分)/食事費用(12日昼食1回、夕食1回 13日朝食1回)

【日程とコース詳細】

日程 2016年3月12日(土)~3月13日(日) 一泊二日
1日目
09:30~ 博多駅 集合
10:30~ 博多織物工場 見学
12:00~ 昼食「博多織のつくり手と博多織の未来を語る」
15:00~ 久留米絣工場 見学
17:40~ 原鶴温泉 泰泉閣(宿泊地)に到着
19:00~ 原鶴温泉 泰泉閣(宿泊地)にて、福岡の職人の方々と一緒に宴会
2日目
08:30~ 原鶴温泉 泰泉閣 出発
09:10~ 小石原伝統産業会館到着、自由行動
13:00~ 柳川に向け出発
14:00~ 柳川到着、自由行動
16:30~ 博多駅に向け出発
18:00 博多駅 到着/解散

※天候・参加人数・受け入れ先の都合によりスケジュールが変更になる場合があります。予めご了承ください。

【割引特典】

NBM本科受講生・卒業生の方には、最大25%割引のプランをご用意いたしました!
(3つの割引を併用した場合)
  NBM本科生割引(※1) ペア割引(※2) 早期割引(※3)
割引率 10% 10% 5%

※1 NBM本科の受講生・卒業生の方に適用
※2 ペアでお申込みいただいた場合、それぞれに10%offとなります。NBM本科生割引と併用可能。ただし、NBM本科生割引は対象者のみ併用となります。ペアでお申込みの場合、宿泊は2名一室となります。
※3 2016年1月6日までに 本申込完了の方に適用

※日程表は募集時の予定を示したものです。 実際の日程は、参加者に配布された「旅のしおり」より抜粋した、以下PDFファイルをご確認ください。

旅のしおり

産業観光型NBM講座 ~福岡、モノづくり発見の旅~おとなの社会科見学「しっとーと?ふくおか」終了レポート

色鮮やかな“さげもん(吊るし飾り)”が水郷柳川の軒先を飾る春の一泊二日、福岡県とのコラボレーションで産業観光型NBM講座を実施しました。

【1日目:12日(土)】
博多駅発のバスツアー。朝早くからにも関わらず、全国各地から総勢約30名の受講生が集まりました。



目的地に着くまでの間、バスの中では、工芸評論家・工芸史家であり、今回の旅のスペシャルプレゼンターである外舘和子先生より、古くから中国や朝鮮、東南アジアなどとの交流が深かった福岡県だからこそ生まれた文化や工芸品について説明があり、これから始まる産業観光に対して期待に胸を膨らませている皆さんの様子がうかがえました。

最初の見学地は、福岡にある経済産業大臣指定伝統的工芸品7品目のうちのひとつ「博多織」の製造織元・福絖織物。博多織の堅牢な生地は、たくさんの細い経糸(たていと)に、太い緯糸(よこいと)を強く打ち込み、経糸を浮かせて柄を織り出すことで生まれます。現在、大半は機械織りだそうですが、何千本の糸を準備し、1本1本仕掛穴に通して織機にセットするまでの工程は全て手作業。そして、品質を保つのも職人の長年の経験が物言う感覚です。ガシャン、ガシャンと大きな音を立てながら複雑に動く織機の音や振動で不具合を察知し、糸の調子や部品を調整する必要があり、製織中は常に神経を尖らせておかなくてはなりません。



このように手がかかる古い織機を使っているのは、それにしか出せない柄の美しさがあるから。古い技術と新しい技術のバランスと、職人の感覚的な技術の継承。高価な織物として知られる博多織ですが、それ以上の価値が織り込まれていることを、受講生は実感できたようです。また、博多織の担い手を育てる目的で2006年に開校したNPO法人「博多織デベロップメントカレッジ」の取り組みについても熱心に耳を傾けていました。

工場見学の後は、福岡の伝統的工芸品のつくり手との交流会を兼ねたランチタイムです。訪ねたのは築100年の商家を改装した食事処「古材の森」。地元・糸島の食材を使用した料理をいただきながら、博多織織元3社(鴛海織物、サヌイ織物、黒木織物)と、「美人もの」「歌舞伎もの」「童もの」「節句もの」などのモチーフで知られる博多人形のつくり手・天平大雅氏から、それぞれの長所を活かしたモノづくりについて話を伺いました。伝統文化の重みに負けず、チャレンジを続けるつくり手の情熱が受講生に伝わり、どのテーブルも大変盛り上がっていました。

続いての見学地は、江戸時代後期に当時12歳の少女が考案したとされる「久留米絣」の織元・坂田織物。久留米絣もまた福岡の伝統的工芸品で、筑後川の肥沃な沿岸一帯で綿花が栽培されていたことから、農家の副業として発展してきました。綿糸を束ねて部分的に糸で縛り、藍染めをしてまだら模様を作り、別の染めパターンの糸を縦横に織り合わせるという、図案作りから数えて30もの工程のほとんどが手作業。輪郭がにじんだように見える独特のかすれ模様が生まれるまで、約2ヶ月間にわたる気の遠くなるような緻密な作業が続きます。説明を受ける受講生の表情は真剣そのものでした。



そんな表情が一気に緩んだのは、久留米絣から生まれた婦人服や雑貨など、さまざまな製品が展示されている坂田織物の事務所に移動してから。直接購入できるとあって、皆さんお買い物モード全開。肌触りや通気性がよく、いろいろな色合いや模様を楽しめる「絣」のファッションアイテムとしての可能性を大いに感じさせる時間となりました。

そして、うれしいサプライズも。福岡県と大分県の県境にある今宵の宿「原鶴温泉 泰泉閣」に向かうべく乗車したバスの中で、福岡で今密かな人気を呼んでいる、久留米絣の「もんぺ」が受講生全員にプレゼントされるという発表があったのです。お揃いのもんぺ着用で、懇親会で再び顔を合わせる約束をし、それまでの時間は、温泉に入ったり、懇親会会場に設けられた福岡の伝統的工芸品の展示スペースを観たり、それぞれが思い思いの時間を過ごしました。

いよいよ、懇親会「伝統工芸鑑定 in ふくおか」がスタート。地元の食材を使った季節の会席料理と共に振る舞われた日本酒ももちろん福岡県産。福岡は、酒造好適米の王様「山田錦」の有数な産地であり、清冽な軟水に恵まれ、歴史ある杜氏集団がいます。受講生は4種類の日本酒を自由に飲み比べながら、各テーブルにお招きした、「博多織」「久留米絣」「小石原焼」「八女福島仏壇」「八女手漉和紙」「掛川」「大川組子」「博多曲物」「八女すだれ」のつくり手の皆さんに「ご夫婦で創作活動をされているのですか?」「この器を作るのにどんな難しさがありますか?」など、積極的に話しかけていました。



懇親会のメインイベントは、外舘先生による伝統工芸鑑定です。素材や技術に根ざした日本陶芸史を俯瞰しながら、福岡の伝統工芸が持つ特徴を分かりやすく解説。翌日見学する小石原焼と高取焼のモノづくりの現場の理解を深めました。さらに、受講生への2つ目のサプライズプレゼントとして、会席の最後に出されたデザートが盛られている小石原焼と高取焼の「うつわ」が贈られました。

【2日目:13日(日)】
宿を後にして、前日の懇親会で交流を持ったつくり手たちが待つ東峰村へ。大分県日田市と隣接するこの村の特産はもちろん、「用の美」を確立した小石原焼と「綺麗さび」と表現される遠州七窯の風格を今に伝える高取焼。東峰村にはこの2つの陶器の流れをくむ約50の窯元があります。各窯を自由に巡り、買い物も楽しめるフリータイムということで、1日目の懇親会でぐっと仲を深めた受講生たちは誘い合い、あるいは一人気ままに散策。小石原で採れる陶土を原料として、伝統技法を受け継ぎながらも、新たな作風が生まれている小石原焼の作陶の様子や、窯場など窯元の作業場を、受講生は特別に見学させてもらいました。



【産業観光型NBM講座 協力窯元】
◆小石原焼(伝統的工芸品)
太田秀隆窯/カネハ窯/早川窯/マルジュウ窯/マルタ窯/マルダイ窯/マルワ太田富隆窯/柳瀬本窯元/ヤママル窯
◆高取焼
高取八仙窯

杉の巨木群や400年の歴史を持つ棚田など、日本の原風景を今に伝える東峰村の豊かな自然に癒された受講生は最後の目的地、有明湾に面する柳川市でも引き続きフリータイムを過ごします。城下町として発展した市街地には、堀が張り巡らされており、「川下り」体験も可能。当日は、小雨が降るあいにくの天気でしたが、雨に霞む遠景と、赤やピンク、緑、黄色と色鮮やかなさげもんのコントラストが美しく、うれしい発見でした。



北原白秋生家、柳川藩主立花邸 御花など、柳川のさまざまな観光スポットを回り、名物うなぎのせいろ蒸しを食べ、お土産を購入し、心地よい疲労感に包まれた受講生。一泊二日全行程を無事に終え、博多駅組、福岡空港組に分かれて解散となりました。

今回、つくり手の皆さんからは「どんな色や形を好むのか、意見を直接聞けてよかった」という声が、つくり手の想いに触れた受講生からは「伝統産業を未来へつなぐために、私なりに何かできることはないか考えるようになった」という声が多く寄せられました。使い手とつくり手の双方の経験が結びついていくことで、新しい日本のモノづくりが花開く、そんな手応えを感じられた「おとなの社会科見学『しっとーと?ふくおか』」だったのではないでしょうか。