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時代とともに変化しながら今に続く日本の“用の美”。
日本の優れたモノや文化を発信する。
翻訳者  武田裕子さん  第14期

オーストラリアから来日されたVIPに通訳としてアテンド

知人から、パリで折形のサロンを営んでいる方を紹介されたのは昨年のこと。「日本の和紙職人さんを取材したいので、通訳をやらないか?」とのご依頼でした。残念ながらその役目を担うことは叶わなかったものの、「折形って何?」からはじまり、それを機に日本の伝統・文化を学びたいという思いを強くしました。日本人でありながら、自国の文化を知らないことを恥じたものです。

もともとはモノ好きが高じてインポートブランドのバイヤー職に。その後、通訳を経て現在はデザイン分野を中心とした書籍の翻訳をしています。外国のモノや文化に魅せられ、日本の皆さんに紹介する仕事が楽しくて仕方なかった20代、30代。ただ年齢を重ねるうち、また東京と京都を往き来する生活のなかでいつしか日本の文化、とくにものづくりに目が向き、無性に惹かれるようになりました。そんな折、偶然にもニッポンブランド・マイスター講座を知ったのです。

通訳スタッフとしてコンベンションに参加
2002年FIFAワールドカップではVIP席通訳として全国のスタジアムへ

「日常目にするモノがその人の美意識を形成していく」 講座初日のこの言葉をはじめ、NBM講座は私に毎回新たな気づきをもたらしてくれました。季節を愛でる。自然とともに暮らす。相手を思いやる。そうして脈々と受け継がれてきた日本人の心や暮らしぶりにあらためて思いを馳せるとともに、モノを見たとき、その背景に目を向けるようにもなりました。

NBM講座では、テーマごとに専門の先生方から貴重な「現場の声」を伺うことができるのも魅力です。日本のものづくりの歴史を紐解き、そのうえで実際にうつわや和紙、日本茶、漆、染色品などを前に愛情たっぷりに語られる先生方。講座では毎回新鮮な驚きが絶えず、目の前に見えていた世界がまるで違ったものになったようでした。何気なく日常触れるモノのデザイン。それが日本の風土や文化、日本人の自然観や生活様式から生まれ、時代とともに変化しながら今に伝えられた「用の美」だと知ることで、この国に生まれたことを誇らしくも感じました。

静謐さ、不完全さ、そして余白を大切にする美学など、日本人独特の感性には海外からいっそう関心が寄せられています。一方で伝統のものづくりが少しずつ姿を消しているのも現実なのでしょう。まだまだ学びの途中ではありますが、残すべきもの、伝えるべきものをまずは知ることから、そして将来的には海外に向けて発信できるよう、少しずつ仕事の幅を広げていきたいと考えています。

京都では器のお店めぐりも
楽しみのひとつ
武田裕子さん
 
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